24-16.改善マインドと生きる

創意・工夫による変革

改善とは、創意工夫の取組みを行い、新しい何かをつくり出すこと。今のやり方をより好ましい・望ましいものへ改めることをいいます。

もっとうまく、もっとはやく、もっと安く(合理的に)への取組みと考えると、身近ですね。

改善により、ムリ、ムダ、ムラをとることができます。ここで、ムリは、負荷が能力を上回っている状態をいいます。また、ムダは、逆に負荷が能力を下回っている状態です。そして、ムラはムリとムダの両方が混在しており、それが時間ごとに表れる状態をいいます。ムダとムリがなくなれば、ムラは発生しないですね。

どのようにムリ、ムダを解決するのかを考えます。ムリの克服のためには能力を高め、ムダの克服のためには負荷を上げ、負荷と能力のバランスを取ります。

自分の絶え間ない成長を前提にすると、負荷を下げることはありえません。また同じ位置にい続けることを後退とすれば、負荷を上げるなかで、(発揮)能力が負荷をクリヤーできるよう対応することが本来です。

能力がどう発揮されるかを分析し、目標達成のために行動しなければなりません。能力の発揮=個人技術技能(能力)+仕組みです。

能力はあるけれど、それを阻害する仕組みがあれば能力は発揮されません。逆に能力が最大限活かされる仕組みがあれば、能力が発揮されて成果が挙がりますよね。

もうお分かりのように改善により、一義的に効果があるのは仕組みの領域です。

能力を活かし、うまく、はやく、安くできる仕組みをどのようにつくるのかが改善なんですね。なので、必要な能力が備わっていなければ仕組みの改善だけでは成果が得づらいことは明らかです。

能力向上のための一部、学習や育成の仕組み改善は俎上に乗りますが、個人の技術技能(能力)を向上するための全体的な仕組みや、能力向上のための取組みについては別途の議論をしなければなりません。

少し、横道に逸れましたが触れておかなければならない事項でした。

さて、人類は何かの発明やイノベーションを起こし、文明をつくりあげてきました。

しかし、そこに至る前に、日々の創意工夫が行われ、大きな変革の礎になってきたことはいうまでもありません。人な何かにつけて新しいものをつくりたい、現状を見直して、よりうまく、より早く、より合理的に(安く)していきたいと考え、行動してきたのです。

創意工夫は本来、人の生き方に本源的に備わった能力であるのかもしれません。

私たちは日頃、組織において業務改善を進めるため、制度を整備し、従業員に

・何のために改善を行うのかの理由を示し、

・方法を提示し、

・評価を行い、

・フードバックや

・報奨を提供して

制度の運用を図ります。

そこで、業務(仕事)を見直し、標準化することで、業務を正確かつ迅速に行ったりコスト削減を行います。また、不必要な業務を止めたり、簡素化することや、システム導入で手間を省いたり、他部署と分けていた仕事を整理し、集中化したり移管しながら自部署の業務を効果的に行えるように取り組むのです。

これらは日常であり、制度がなくても仕事上常態化されていなければなりません。

イノベーションの環境づくりは組織の役割

しかし、日々の慌ただしさのなかで、なかなか思い通りに改善が行われない現状もあり、制度整備や運用を進めます。制度があることで、

  • 他人の改善をみて、自分のアイデアを生む
  • 何かを改善することで、達成感を得る
  • 自分の改善が仕事に活かされ、満足できる
  • 評価されることで、尊厳の欲求を満たされる
  • 報奨を受けることも嬉しい

といった効果を得ることができます。

人が本能的もしくは本能的にもつ、「よりよく生きたい」という欲求を満足してもらえるよう制度の運用は欠かせないと考えています。制度をきっかけとして改善の必要性に覚醒し、そして仕事をより楽しめる環境づくりを行うことは組織の機能であり、役割です。

人は、心底に改善マインドをもっていることを思い出す必要があります。

まずは、その時点で必要とされる能力を高めながら、人として日々の生活のなかで、小さくてもよい、身の回りにある不都合をみつけ、自然な改善活動を行いよりよい人生を生きる。そしてその姿勢をもちつつ、組織の一員として業務改善による成果を挙げ、自分や組織ひいては社会に影響を与える。それが社会人としての本来のあり方である、と考えています。

厳しい時代にあってより良く生きるため、心のなかに潜んでいる改善マインドを今こそ呼び起こし、積極的な改善への取組みを日々行っていきたいものですね。

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