23-02.会議を決定会議に

会議の区分

会議には、連絡(報告)、懇親、決定の区分があり、それぞれの会議は次の性格をもっています。連絡会議は、伝えたいことを伝えるが、議論をするのではなく、一方的に情報を伝達し、周知してもらうときなどに利用する。会社側としては、指示を出したり通達を出すときなどがその機会となります。

また、参加者が自分がこのようなことをしてうまくいった、こうして失敗したから注意してほしい等、他の参加者に情報を提供することで、会社全体にメリットがあるといったときの発言も報告に該当します。

ただ、連絡や報告は会議以外の伝達手段をもつため、連絡や報告を行うとしても、できるだけ手短にかつ簡潔に要点を示すことや、資料を作成してその資料を示しながら連絡ことが適当です。

懇親会議は、親睦を深めることや、顔をみることでお互いの連帯や連携を強化することを目的として行うことが一般的です。会社側も、こうした性格の会議を行うことにより、参加者同士のコミュニケーションがとれるようサポートするし、それができれば組織のまとまりや、統一感を醸成することができるというメリットがあります。

したがって、通常は別の目的で会議があり、それが終了したのち補足的に実施されることが多いといわれています。これが単独で行われることはあまりありません。

決定会議とは、まさに決定を行うということですから、目的をもって行われます。決定すべき何かがないときに決定会議を行うことはできません。参加者にしても会社側としても、決定すべき何かをもって会議に臨む必要があります。

決定会議に参加するために日常から問題意識をもって活動を行う必要があります。

自分の行動や部下の行動、そして会社の政策等について問題意識があれば、それに対して自分であればこうしたい、自分はこうしようという考えをもちます。

意識はあるが単なる思いだけで解決策はない、問題意識をもつとはいえません。問題意識をもったら必ず、どのように解決していけばよいのか、そのための課題は何かを考えるからです。

問題意識をもったら解決策を考えるのは当然ですね。

決定会議を軸として会議を設計

所長が参加する営業会議を考えてみましょう。

「顧客管理方法の標準化」がテーマであるとき、所長は自分が営業するとき業界情報をもっていなければ、先方の責任者と話ができない。しかし、自分で業界の話やマーケットの話をするこしい。その情報を事前に学習するためのレクチャーも欲しい。それを情報としてもって客先に出向くとは難しい。

どうしたらいいだろうか。そのためには本部にこうした組織をつくり情報を提供して欲ことで、親密化が図れる、といったことを考えて会議に臨みます。

会議では、自分が考えている問題意識や解決策について発表し、これが正しいのかどうか、他に方法はあるのか、ないのか、実際として他の営業所ではどのようにこの問題をクリヤーしているのかといったことを議論し結論を出す、といった進め方になります。

問題意識は自分が成果を挙げるために何が障害なのか、何が問題なのかについて考え、そして解決策についても用意したうえで、それが正しいのか、他に方法はないのか、会社としてどうであるのかについての議論につなげる必要があります。

会議の目的はその解決と決定を行うことだからです。

上記の考え方をベースにすれば、会社がどのように営業会議を考えるのかについても容易に理解できます。所長に図り、何を決めていきたいのかをベースとして会議が行われる必要があります。会社が決定したいことがなければ会議を行う意味はありません。

もちろん、前述したように会社の考え方を伝える、という場に会議を活用することも、ある意味有効です。その場に集まる参加者に何かを連絡する、伝えるのは情報共有や共感を得る方法です。皆がいるところで説明した、徹底したということを事後に思い起こせるよう、あえて皆が集まった会議で場面をつくり伝えることにも意味があります。ただ、それ以上に何かを決めて徹底する場とするほうが重要なのは明確です。

何かテーマを与えて議論してもらうことにより、

  • 所長が何を考えているのか
  • どのような意見をもっているのか
  • それはなぜなのか

を会社は理解できます。

そのプロセスを通じて、つまり個々の所長がそれぞれの考え方を説明したのちに、お互いにそれらの考えで、新たに触発を受けたり考えを整理でき、まとめられる可能性があります。

いずれにしても会社は、連絡や報告だけに流れがちな会議を、常に決定会議にしようとなげかけを行うとともに、会議を決定会議として機能させる取組みを行います。

テーマを決め事前に議論すべきポイントを参加者に説明し、会議では必ず何かを決め次の進歩に繋げなければなりません。参加する所長が、さらに新しい何かを生み出すことを支援する場面です。

多くの企業が会議の進め方を仕組み化し、新しい価値をつくることを期待しています。

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