21-05. 時間を大切にすること

時間という資源が重要

社員にとっても、組織にとっても時間はとても大切です。

そもそも、組織が社員により運営されるとすれば、社員が労働に費やす時間には制約があることを考えるのは当然です。

経営資源は、社員、情報、時間、カネ、モノで成り立っていますが、そのうち時間という資源がとても重要であることは意外と蔑ろになっているのではないでしょうか。

日々仕事をする、成果をあげる、というプロセスのなかで、ただ懸命に働くだけではなく、計画立て時間通りにコントロールしなければならないことはいうまでもありません。

慣習のなかで一部、時間管理が行われているとしても、全体的、あるいは仔細な部分できめ細やかにすべてがうまく実行されていません。

タイムマネジメントの本格的な対応が必要

生産性向上を議論するときには業務改善的にさまざまな手を打つことがあります。しかし、中期経営計画立案、ローリング(中期経営計画の1年経過後に次の3年間の計画を立てること)、経営計画策定、月間での予算実績管理、週ごとの目標達成評価、日々の部署内における行動管理などの枠組みに関する組織全体の到達点に向けた時間軸での管理ができていない組織が多くあります。

また、業務見直しである部署間コンフリクト(衝突)の解決、社員の技術技能の向上のための評価教育制度、といったものについての取組みのなかで、時間は重要な資源だからこそ、それらを行っていこうという視点をもたない組織もあります。

時間を有効に使うために、期日を決めた目標達成を徹底して行う必要があるし、時間をうまく使いムダをなくすことが部署間の衝突を解決する動機となる必要があるのです。

さらに、いくらよいシステムがあってもうまく使えなければ、ムリが生じたり、社員により成果が異なるなどムラが生まれる。だから各職場で技術技能のあるべき標準を定め、一社員ひとりの評価ののち、標準との乖離がある者への個別教育を徹底して行う、といった発想もありません。

業務の見直し、評価・教育といったことを行うとしても、その背景に時間を大切にするためにそれらを行うという強い意思がありません。

コロナという厳しい環境下において、本格的な景気悪化までに残された時間はあまりありません。時間を大切にするからこそ組織運営を正しく行う、日々の業務のあるべき形を求めるという視座をもち、マネジメントが行われる必要があります。

組織を挙げてのタイムマネジメントの本格的な対応が必要です。

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