19-22.価値観と仕事について

5つの価値観

職務として組織目標を達成し、成果を挙げることが組織構成員の義務であり責任ですが、仕事をしていても、どのような価値感が自分を支配しているのを客観視することが重要です。

価値観のバランスが偏れば求める成果を挙げることが困難だからです。

仕事と個人の価値観について考えてみます。

人は自分の善・悪、好ましいこと・好ましくないことに対する思いにより判断を行い、生きています。この思いを価値観といいます。 何のために働くかの判断を行うときの価値観には少なくとも、5つの分類があります。

 

  1. 自分のため
  2. 家族のため
  3. 他人のため
  4. 組織のため
  5. 社会のため

「自分のために」には、個人の感情は多様で一律に表現できませんが、主に、健康でいたい、経験を積みたい、技術・技能を身に着けたい、成長したい、地位や権力を得たい、目立ちたい、金銭を得たいといった思いがあります。

マズローのいう人間が根源的にもっている、組織に帰属したいという「帰属の欲求」や認めてもらいたいとの「尊厳の欲求」、成し遂げたいという「自己実現の欲求」もここに含まれます。

また、「家族のため」には、妻子、親族へのすべての対応が含まれています。

「他人のため」には、上司、先輩、仲間、部下、顧客、取引先、株主、債権者といった職場や利害関係者が該当します。

「組織のため」には、ビジョン、ミッション、ゴール、の達成や成果への執着があります。

そして「社会のため」には、人類、技術革新、変革、経済への貢献が該当するでしょう。

ある人の価値観は、ここにあげた分類の組み合わせによりつくられています。1、2のパーソナル・バリューだけでもなく、3、4、5のオフィシャル・バリューだけでもなく、生まれ育った環境、個人の持って生まれた思考・哲学、経験、友人、組織・労働環境、時代、時期により、また職種、年代、役職、家族関係により変化し、ある人の思いをつくり判断に影響します。

個々人により多様な組み合わせがあり、また、どうしても譲れないという価値観もありますが、本人でさえその変遷に気づかないうちに、変化しているものもあり、どこに重点を置いているのかは時々により変化し、つかみどころはありません。                              

端から見ているとAさんは仲間を大事にする、Bさんは家庭重視、Cさんはいつも正義感があるよね、Dさんは研究で世の中を変えようと本気で思っている、といったことが見えて、その人の評価につながることがあります。

なので、少なくとも1や2だけに固執せず、についても価値観の軸として捉え、他とのバランスが悪い人は、どこかで見透かされ孤立してしまうことや、心底で信頼されないこともあります。

価値観相互のバランスをとる

もちろん、仕事は人生の学びの場であり、成長して達成感を得るための場面の一つです。

したがって一義的には仕事は自分や家族のために行うことを曲げようがありません。

ただ、人は一人では生きられず、他者と協働して成果を挙げる生き物であるとすれば、多くの人に頼り、またその前提として多くの人を支援しなければ、集団活動を行えないことも事実です。

いくら自分が優秀であったとしても一人では生きられないことを基礎においた行動が求められているのです。さらに日々の行動の到達点に組織目標や、自分のやりたい事があり、

そのことにより社会に貢献するという志があれば、日々の行動に弾みがつき、やる気も出てきます。毎日を楽しみ躍動して生きるために、他社、組織、社会への貢献を掲げ、日々工夫や創造を怠らないと決めなければなりません。

健康を害したときや、家族のイベント、他人や組織の危機、景気の悪化や社会の新しい動き等に直面したときなど価値観の重みづけの調整はあるものの、「パーソナル・バリューのなかにオフィシャル・バリューを取り込み、すべてが自分の主体的に関わるものである」という価値観の位置づけのなかで、その時々の状況により価値観相互のバランスをとる、という在り方で仕事をすることが適切だと考えています。

バランスの良い価値観を基礎として、目指す自分づくりのために日々研鑽し、必ず社会に貢献できているという確信をもった組織活動を通じ、他者と協働しながら成果を挙げ達成感を得て成長する、という働き方がベストだという整理ができました。

自分の日々を見直してみたいと思います。

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