このブログでよく話題になる不動産・建設会社、ホテル経営を行う会社の社長と本日ミーティングをしたときの出来事です。
社長は、建設現場で(土を掘削したり運ぶなどして地形を整える基礎的な作業を行う)土工の6名の社員に、(ねじ切りからの)配管工事や内装の壁紙張りを教え始め、ゆくゆくは杭打ちもできるようにすると話しました。また、熊本で購入したホテルの改修工事や造園を専門家に外注せず、自社の建設スタッフを本社のある関東やホテルがある別府から派遣して、開業迄に時間をかけても自社ですべて工事ができるように訓練しているとも。
それはコストを引き下げるという理由もありますが、社内にノウハウの蓄積を行うことや社員の自立を促すためいう結論です。
いわゆる多能工化を図ることのなかで、一人ひとりに役割や目標を設定し達成感を得てもらう、そして自信をつけて向上心をもち能動的に工夫を行い自ら成長できる社員になってもらいたいということでした。
また過去30年にわたり数百人の従業員を擁する企業グループをつくった社長が培った経営ノウハウを数名の本部スタッフにも教えるし、いくつかある営業所の所長にも独立採算の意識をもち仕事ができるよう従来以上にコスト管理や情報提供を行うと話を続けました。
本部や営業所の社員一人ひとりの自立を促し、社員と会社がフラットな相互関係をつくり成果を挙げてほしいという思いが背景にあります。
いままでは言われたこともできない、もしくは言われたことしかできないという状況であったが、その状況を変えていきたい、後継者も育てたいという社長の思いが上記につながったといえます。
これはまさに、自立を促進する ISM(Independence Stage Management=イズム)の事例であり、ハンモック(リゾート)社員やベッド(ぬくぬく)社員、そしてチェアー(腰掛け)社員をスタンディング(自立)社員に変えていこうという試みそのものです(ISMの詳しい説明は別の記事を参照して下さい)。