06-01. 階段があれば上がりやすい

一つひとつ積み上げていくことが大切

人類は常に進歩しています。より便利しよう、より付加価値を生み出そうという創造活動を行うからです。そこには先達の思いや実績の蓄積があり、新しい発明や発見も、その蓄積の上に成立しています。

サービス業も同じように進歩してきました。

サービスの本質に関わる考え方は昔からあまり変わっていないものの、サービスの提供の方法における進化には目を見張るものがあります。

日々の業務も同じです。「企業運営をどうすれば適切に行えるか」という命題をもって、顧客がより安楽、かつ安全にサービスを受けられるのかを考えることが日々の業務であるとすれば、行なうべきことを行い、基盤をつくったうえで、階段を一歩一歩上がるように活動しなければなりません。

組織の課題を明確にして解決策を決定し、計画を立てて行動します。従業員の力を引き出す制度や仕組みをつくりあげ、一人ひとりに光を当てたマネジメントを行います。

彼らが達成感を得られるよう役割を明確にしたうえで、個人個人を支援するリーダーシップを発揮し成果を挙げられるよう取り組みます。

まず何かをつくり、その上に別の何かを積み重ね、さらにその上に違うものをつくりあげることにより文化や風土、そして目的に合った成果を一つひとつ積み上げていくのです。

目に見える価値を生む具体的な活動こそが、組織の目指す行動でなければなりません。

このような方法を採用せず、ただ毎日懸命に仕事を行うだけでは、日々の業務を合理的かつ合目的的(何らかの目的にかなっている性質)に実施することはできません。

皆さんにも経験があると思いますが、優れたスタッフがいる時代にはうまくいったことが、彼らが退職したためにもろくも瓦解することがよくあります。人に依存した組織運営の典型的事例です。

その人がいるときにはリーダーシップもうまくとれ、皆でつくりあげた仕組みも動き、成果がまるで永遠につながるものであるかのように見えます。

しかし、その人が姿を消した途端に堅ろうなコンクリートの壁に貼られたタイルが剥がれ落ち、ヒビが入り、赤茶けた鉄骨が見えるようになるのです。

一つひとつ積み上げてつくりあげたものと、勢いでつくったものとの差が歴然とするときです。派手さはなくても、地道にしかし着実に階段(仕組み)をつくり、皆がそれに揃って高みに上がれるようにすることが、いかに重要なのかを思い知らされます。

リーダーはそのことに思いを馳せ、何のために、という思いをもちながら仕組みづくりに率先垂範するとともに、志を同じくして階段づくりに励む、そして共に階段を上がり高見に到達しようという従業員を育成する必要があります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です