[コラム]力づよく、ながれるように舞う

慌ただしさとともに

朝、東京で私が監査役をしている上場会社の取締役会に出席したあと、監査役会を少しの時間行い、慌ててモノレールに飛び乗りました。12時25分発の福岡行きのJALにぎりぎりセーフ。カウンターでチェックインしたときには、もう12時8分でしたから、冷や汗ものです。浜松町でお昼のパンとサラダを買ってしまったため、モノレールに1本乗り遅れたことが原因です。優先順位は理解していたのですが、気持ちの緩みのあった自分に後悔しました。

といっても会社を出たのが、11時30分で、乗るべきモノレールの時間が40分でしたから、はっきりいって余裕もありませんでした。

少し到着が遅れたものの無事に福岡空港に到着しました。慌ててタクシーに乗りひた走り、クライアントに到着しました。

人材派遣会社での3時間の幹部への研修を終わりタクシーを呼んでいただいて、とんぼ返りです。

福岡空港JALラウンジのカウンターで東京行きの飛行機を待っていました。翌日から国際医療福祉大学で、看護管理認定看護師のサードレベルのレクチャーをするので、資料の見直しをしたのです。

思いが伝わる舞

さて、先程ここに入る前ロビーで足が止まりました。気になったのは博多人形です。人形のケースには詳細な記述が付されてありましたが、それをゆっくり眺める時間もありませんでしたから、どのような人形なのかの説明はできません。しかし闘いに出陣する前の踊り的な、とても現実味のある人形でした。

目を見開き厳しい表情で、先を見つめて自らを鼓舞しているように感じます。廻りに舞を観ている人々がいる設定なのかどうかは分かりませんが、舞う人の指先はすっと伸び、活き活きしていて、まるで生きているようでした。

彼の舞は粛々と進み辺りには静寂があります。

一人で最後の時間を惜しむように、あるいは慈しむように、一歩、そしてまた一歩足を踏み出し、流れるように舞っている姿がみえてきたのでした。

その一つひとつの舞から、彼の自分の行うべきことを行おうとする強い覚悟と決意が伝わってきます。

そこからオーラのようにほとばしる勢いは、まだまだ自分に足りないもの。この人形の振る舞いのように毎日を過ごすことができたらどんなに素晴らしいかと思います。

今の私にはできることを日々行う。今は、それで精一杯です。

先を見据えた大きな闘いの前の舞を、きちっと舞えるようになるまでは、まだ修行が足りません。

一生かかっても到達できないかもしれないこの人形の心境を求めて、これからも前に進んで行きたいと思いました。

[石井友二]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です