バナナの輸入業務【会員限定】

面白くダイナミックな事業

以前、監査法人で総合商社の会計監査をしていたことがあった。総合商社では鉄や食品、砂糖、重機、機械等々さまざまな物品の貿易実務を学んだ。

輸出入処理に関連して、仕入計上基準に倉庫出荷(Xgodown)、船積み(FOB)、荷揚げ(CIF)の基準があり、コストの負担が変わること、L/C(買い手と売り手の双方の国側でそれぞれ銀行に間に入ってもらい、このL/Cの売買を銀行に依頼し代金の支払いと荷物の受け取りを双方確実にする代金決済方法)を始め、代金決済方法がいくつかあることを知った。

保税地域(輸出・輸入する貨物を通関手続きの前後に置いておく場所)にも出向き、輸出を待つ商社側在庫である建設重機が広い場所に点在しているのを、息を切らしながらフーフー言ってカウントして回ったことも良い思い出である。

最近バナナを輸入している会社の会計監査をしている。

フィリピンのミンダナオ島の高地でつくられたバナナを収穫、選別した農園から買い付け、通関して日本に専用船で送る日本の会社を通じてバナナを仕入れている。

物流費が高いことや、商社を経由していないため仕入れ量が不安定などの課題があるが、緑色のうちに国内に入ってから「むろ」と呼ばれる場所で色付けされて出荷され、仲卸を通じて量販に出回る迄の商流に触れ、多くの人手をかけて、自宅で毎朝用意されるプレートに乗るバナナがあることを再認識している。

ちなみにバナナもブランドが幅を利かせていること、他の果物がある季節にはいつもわき役に回ることなど勉強した。その時の価格は安く売れる季節の10分の1の価格になると聞いた。

毎朝、自宅でフォークに刺したバナナを見ながら、このバナナのように海外の商品が手元に届くまでにはたくさんの仕事があり手間がかかっていることに思いを馳せ、改めて事業の面白さやダイナミックさを感じている。

これからも様々な事業に関与できることに感謝し、研鑽に励みたい。

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