おいしい!と言ってもらえる飲食

おいしいものを作る工夫

飲食業の目的は、飲食を通じて多くの人を喜ばせることだと私は考えている。「おいしいね」、「おいしかったね」、という食事を提供することが事業の基本である。

とすると、おいしい食事を提供するために必要なことが見えてくる。

一番目は事業の継続、つまり利益がでなければならないこと。利益を出しておいしいものを提供し続けなければならない。利益を出せる範囲でおいしいものを作れる工夫が必要です。いくらおいしくても利益が出なければ多くの人を喜ばすことはできない。

そして、たくさんの人に喜んでもらうためには店舗を増やしたり、セントラルキッチン等工場をつくることもある。今を維持するだけではなく、投資のための利益も稼ぐ必要がある。

利益を出すためには、顧客を増やすことがとても大事である。収益―費用=利益だが、収益の源泉は客数×単価だからである。そのためにおいしいものをつくり新規客を増やしまたリピータを増やす。しかし費用を小さくしなければ利益がでないので費用にも拘る。

ターゲティングや顧客評価に併せ単価を決めるものの、その段階で合理的かつ最高の素材を選びつつ利益が出るよう仕入を工夫、店舗運営をうまく行う必要がある。

得られるだろう収益に併せ小さく始めた店舗から、徐々に客数を増やし評判をつくり、自信をもっておいしいものに対する研究を怠らず、利益を得ながら店舗を拡張することや移転を含めた事業を展開する。

なお、ここではおいしいものを提供するためのレシピ開発や標準化、接客や、プロモーションが行われることになる。

繊細な飲食業

かなり前、銀行のコンサルティング部で大阪の焼肉チェーンのコンサルに携わていた。時間帯別客数、客単、グループ率、回転率やオーダーから配膳までの時間、ホールの動線分析や原価計算、ロス等コスト全般の分析や、プロモーション、接客の指導をしていたのだ。

従業員を集めて「目を閉じて、心に一番大切と思う人の顔を思い浮かべましょう」「思い浮かべましたか?」「その人に向けていらっしゃいませ、といってみてください」と接遇研修を行っていたことを思い出す。飲食業への興味をもてた経験であった。

飲食は食材や衛生管理、調理への探求に際限がないし、メニュー開発や店舗管理、労務管理、金銭管理、顧客管理、営業管理等への体系的なアプローチを行う必要があり、とても繊細な事業である。

しかし人に喜んでもらいたいという思いが、困難を乗り越える力になると信じ、これからもクライアントに対し、できる限りの応援をしていきたいと考えている。

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