休日でしたが、あれこれあり、夕方近くに帰宅しました。
ふと思いたち、自宅のそばにある境内に来ました。空気が澄んでいて、深呼吸をすると肺胞の隅々まで生き返るようです。
砂利道を数十歩音を立てて歩き、静かに誰もいない小さなベンチに腰を下ろします。
喧騒から離れ、こうして自然のなかに身を置き、春の緑や鳥たちの囀ずりに触れていると、心からの安らぎを感じます。なんて気持ちがいいんだろう。
見渡すと空が隠れるほどの木々に覆われています。下に目をやると、やがて夜になれば消える運命の木漏れ日がオレンジ色に地面を染めています。
目を凝らして見ると、木漏れ日は、空気のながれにかすかな音を立てて、まるで生き物のように揺れていました。