[コラム]泰然自若

富士山は見る者を魅了する
なぜ人は富士山をみると感動するのでしょう。
新幹線が富士山の横を通ると、いたるところでシャメのシャッターを押す音がして、ときには、ため息のような感嘆の声も聞こえてくるときもあります。
さながら道を歩いていたら、偶然にTV撮影に出会い、そこにとびっきり美しい贔屓(ひいき)にしている女優がいたときのような雰囲気になります。
車窓から富士山の姿が消える、ほんの数分のことではありますが、手前の景色がすごいスピードでながれていくなか、奥にどっしりと構える富士山だけはじっと動かずそこにいるように感じます。
富士山は日本の心だからなのか、あるいは裾野が広く地に足が付いているように映るからなのか、あるいは整っているからなのか、それとも単純に美しいだけなのからのか、どちらにしても無意識のうちに富士山に魅かれる人達が多いことには間違いがありません。
さらに、実はあれほど美しくみえるときがある富士山も、実際に登ってみると夏もごつごつした岩場であるばかりではなく、もちろん経験はありませんが、冬は雪に覆われて登山にはとても危険な山であり何人もの登山者が滑落して怪我をしたり亡くなっている山です。
冬目に見る外見とは異なる厳しい山なんだ、厳格にそびえ立つ山なんだという緊張感も心のどこかにあります。慈父のようなというのか、あるいはジャンヌダルクのようなというか、何百年、何千年という星霜を経て存在し続けている富士山に畏怖さえ感じるのでした。
泰然自若とした姿を思い出すたび、こうしてどっしりと構え、意思をもって存在し続ける人間になることができたらどんなに素晴らしいだろうと時々思います。
信念を行動に
どのような人生であっても、何があってもゆるぎない信念と思いをもち、確信をもって厳格に生きることへの憧憬が富士山をみるときに感動する理由だと合点がいきました。
思いをもち信念に変え、技術を磨き人間力を高める。そして自分の思いを伝え、学び成果を挙げて達成感を得る人生を生きられるよう、前に進んでいけるよう頑張ります。[石井友二]
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