06-11. 事業計画と不思議の国のアリスが犯した罪

どこに行きたいのかを示す

不思議の国のアリスご存知ですか?

ブロンドヘアーの少女が白うさぎを必死で追いかけているうちに、トンネルに入り、そして穴に落ちてしまいました。そのあと、身体を小さくしたアリスは見たこともない世界のなかに入っていき、不思議な出来事に出会います、という物語ですよね。

ここで、我々がマネジメントを語るときに取り上げなければならないのは、どの様なことでしょう。

歴史の本を読んでいて退屈なとき、チョッキを着て走る懐中時計をもった白うさぎを見つけても、決して追いかけてはいけません。危ないからね。冷静に判断しましょう、ということでも、全体を俯瞰して、これは夢だ、現実から逃避してはならないと判断できるようにしましょう、なぜなら現実はアリスの世界よりもっと不思議で楽しい時空なのだから、ということでもありません。

アリスは、不思議の国のなかで道に迷ったとき、木の上にいた見たこともないシマシマのチェシャ猫に道尋ねます。

チェシャ猫がにやにやしながら「で、君はいったいどこに行きたいの」と聞いたとき、アリスが「どこでもいいの」と言ったこと、に注目したいと思います。

私は、アリスと同じどこに行けば良いのか分からない組織が、とても多いことに気付いているからです(アリスの言動は、組織マネジメントを考えると、とても危険なことですね)。

日々懸命に働き、頑張っていても、社員はこの組織がいったいどこに向かっているのかを知らない、分からないのでは、彼らが力を発揮できる筈がありません。

場合によれば、幹部すら、そしてトップでも、今に懸命で、これからどこに向かい何をすれば望む未来に到達できると考えていない、考えられないことすらあります。

予算や希望の売上高や利益は提示するものの、それらが明確な内外戦略に裏付けられたものではなく、各部署、個人の行動計画に落とし込まれていないときには、具体性がないという意味で、どこに行きたいのかが示しきれていないことと同じです。

「どこに行く」という意思決定は、事業計画により具体的な数値や指標、そして役割や目標に落とし込まれなければなりません。

行動が管理され、毎月その達成状況が検証されて、乖離があればそれを埋める連続的な活動に結び付けられていなければ、実効性が担保されません。

何よりも社員に受容され、彼らが能動的に行動できる組織と個人のコミットメント(約束)の仕組みが必要です。

まずは、皆さんの組織が、不思議の国のアリスになっていないかを一度確認してみる必要があります。

前置きが長くなりましたが(書き出しを考えていたら長くなってしまいました)、今回は事業計画書について説明します。

事業計画書をつくる

事業計画書は、利益計画(予想損益計算書)をベースにした行動計画(アクションプラン)です。この一年間はこんなことをします。こんなことをして目標利益を獲得します、という到達点とプロセスを示す書類です。

本来、実務では長期5年間、中期3年間と定めて事業計画が立案されます。

戦略(戦いに勝つための計画)を実現しようと思うと、少なくとも3年程度は必要ということで、3年計画すなわち中期経営計画を立案することが一般的です。

「中期の見通しが立たない。先のことは誰にも分からない」ので、単年度での事業計画だけで経営を行う」という考え方では、時間を必要とする業務改革や構造改革を行えません。

仮にトップに思い描くものがあったとしても、現場の職員はそれを具体的に知らずに日々の目の前の仕事だけを追い続けることになります。

将来の姿をみせて今の仕事をするのと、手元しか照らされていない状況で仕事をするのでは成果が大きく異なります。

中期経営計画が必要です(中期経営計画の詳細については、別途説明します)。

そして年度の事業計画です。中期経営計画の1年分が、当期の事業計画として年次の計画へ落とし込まれます。

年度でしっかりと成果をあげるのは当然のことですが、改革を行うためには、中期経営計画をしっかり立案し、その一部としての単年度の事業を計画的に実行しなければならないのは前述の通りです。

事業計画は年度の計画ですから、5W2H(どこで、なぜ、誰が、いつ、何を、どのように、いくらで)の視点での具体的なアクションプランと一体となり活用されなければなりません。

各部署の役割や具体的な達成方法が明確にならない、単なる利益計画に堕さないよう意識をする必要があります。

各部署の役割が達成され年度の事業計画をクリヤー。そして中期経営計画を達成するというながれをつくります。

利益計画は文字通り、いくらの売上高を上げ、費用を吸収して営業利益、経常利益はいくら必要という計画です。

スペシャリスト採用、システム導入投資をしたい、借入金の返済はしなければならない、だから来期は、これだけの税引き後利益が必要と、損益分岐点分析を行いながら、短期利益計画を立案します。

実務はもっと複雑ですが簡素化して説明します。

売上をこれだけ欲しいとなると、客数や販売量を増やすのか、単価を上げるのか、業種によればリピート率はどの程度にするのか、変動費率をどう管理するのか、固定費はどう抑制もしくは圧縮するのかを考えなければなりません。

そのために、組織固め、教育が必要。新規事業立ち上げ、M&A、アライアンスも考えよう、といった具合です。

目標管理を導入し、各部署の役割を明確にしながら、毎月の予実管理を行い、計画を達成する流れが生まれます。

計画を立て、実行し、修正を加えながら行動する、PDCAサイクルを事業計画から始めなくてはならないことを理解しましょう。

無くても一定の仕事はできますが、有ればより高い成果を挙げられる事業計画が必要です。

マイ会計で考える

ここで、マイ会計で考えます。

いつも同じトーンになるかもしれませんが、計画性のない毎日からは成果が得づらいのは分かりますよね。

やはり、紙に書いて自分がいつまでにどうなる、

そのためには、こうした行動をとる、と5W2Hで整理しておくことが有益です。

頭で思っているだけだと、決めたことができなくても、証拠が残りませんが、いつまでに何をする、ということが明確であれば、自分をコントロールしやすくなりますし、できないときには凹みます。凹む事は次に進む起爆剤になりますよね。

なので、私も有言不実行のほうですが、紙に書いておくと(印刷しておくと)、やっぱりやらなければという気持ちになります。

事実、今もTVドラマの誘惑に勝ち机に向かってこの記事を書いていますが、数ヶ月前の自分であれば「今日忙しかったしなー」のような言い訳をしていて寛いでいたと思います。

少なくとも、今月はこれをやろうと決めたら計画書を作成し、一年間は難しいので、毎月見直しして月次計画に私はしています。PDCAサイクルを回しながら行動することが大切ですよね。

もちろん、個人ですから、どのような行動ができたら売上達成、どれだけの労力をかけたのかの時間やコストを費用として捉え、成果を定量化して利益とすれば、マイ会計の利益計画もできます。

少し、こじつけのような気もしますが、予想損益計算書のフレームワークを使い、自分の行動を見直す、シンプルな考え方です。

これ以上考えると寝れなくなるので、今日はこの辺にしておきます。

事業計画=利益計画+行動計画(目標管理への展開)を忘れないでくださいね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です