[プチ事例研究]暇な時間の活用・生産性向上【会員限定】

体系化されていない業務

九州のある県、温泉地の駅前にあるビジネスホテル。オーナーは近隣でいくつものホテルや旅館を運営しています。

ご承知のように、ホテルでは時間帯により業務の内容が異なります。

そして今回の対象となるビジネスホテルには多くの業務がありますが、忙しいのは朝と夕方にチェックアウトやチェックインが集中する時間です。

その時間帯を過ぎると暇になります。マネジャー業務を兼務しているとしても、何をするのかを決め日々スケジュールに沿って仕事をしなければ、ホテルの運営はうまくいきません。

フロントスタッフが朝と夕方のオペレーション以外に何をするのかを決めることにでスタッフの生産性は向上します。

オーナーが業績の悪化したホテルを買収したとき、フロントが暇になる時間にどのような業務を行うのか不明瞭で、やるべきことがその都度決まるような運営になっており、抜けている業務がたくさんあることに気付きました。

ホテルにはマニュアルもなく、業務の一覧表(職務分掌)すらありませんでした。業務が属人的に、かつ習慣により組み立てられていたのです。

また、人により手が遅いという状況にも対応できない、教育がほとんど行われていない状況でした。

顧客ニーズと経営資源分析

そこで社長は、仕事の質や量を明確にして仕事の生産性向上を図ろうと考えました。周りを見渡しても、音頭をとって業務の見直しをしようというリーダーはいません。もちろん現場はその手法も知りません。

業務を可視化するため、社長は一日ホテルのあちらこちらを廻り、パートさんやスタッフと話しを行い、このホテルにはどのような仕事があるのかを書き出していきました。

内部業務と外部業務、オペレーションと営業活動、取引先分析や損益計算書から必要な経費項目についても分析しました。

業務一覧表を作成しマネジャーやスタッフと漏れがないか確認。マニュアルづくりにも着手しました。

また、従業員一人ひとりの仕事の質と時間を測定し、業務別に標準時間を設定したのです。

そのうえで忙しい土日祝祭日前日とそうでもない平日の業務を決め、シフトの見直しもしました。

限られた時間で一人ひとりの仕事の質をどう上げるのか教育を行うための教育体制をつくり少ない人員で同じことができるよう取組みを始めました。その結果はここで説明するまでもありません。

従業員は少ない人員でオペレーションができて役割を果たせるようになりました。

フロントのスタッフも多能工として、経理、総務、営業、取引先管理等ができるようになりホテルの運営も円滑に行えるようになりました。             

やるべきことをやるべき方法で行うことで成果が挙がる事例です。

[マネジメント・アイテム]

リーダーシップ、業務棚卸しマニュアル作成、タイムスタディ、職場倍教育の実施

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