[事業成功のポイント3]収益を上げる【会員限定】

事業継続のための利益

事業の最も重要な目的の一つは利益を出すことです。

どの事業にも利益が必要です。実質的な利益がでなければ、自己資本の取り崩しや借入が必要になるからです。いずれは事業の継続は困難になります。

なお、ここで「実質的な利益」とは、「現金が手元に残る」ことです。

表面上の利益が出ていても債権の回収ができず現金がない(資金が回らず黒字倒産することもある)ケースや、利益はでなくても減価償却等>赤字であれば現金は残っているからです。

その意味では、「(会計処理により調整できるため)利益は意見であり、現金は事実である」といわれるように、現金を残すことが重要になります。

さて、利益を出すためには収益を上げ、費用を削減しなければなりません。ここでは収益について説明します。

収益=数量×単価

収益(以下売上)は、どのような事業や業態であっても数量×単価で計算できます。

数量は個数、枚数、着数、件数であり、人数や時間等の単位で表現されます。メーカーでも、飲食でも小売り、卸でもサービス業であっても、数量とそれが単位当たりでいくらなのかにより売上が決まります。

なので、売上を上げるためには、数量を増やす、単価を上げることが必要です。ただ、単価を上げる(値上げをする)と数量が減ってしまうことがあります。

需要の価格弾力性という用語があります。

需要の価格弾力性とは、価格を変動させたときにその商品サービスの需要がどれだけ影響を受けるのかを示す指標です。

需要の価格弾力性を管理する

需要の価格弾力性が高いと、価格変更に対する売上の変化量が大きくなります。需要の価格弾力性が低ければ価格変更に対する売上の変化量が小さくなります。

値上げをすると個数が大きく減少する、ということは需要の価格弾力性が高いということです。

その場合、値下げをしたときには売上が伸びることになります。需要の価格弾力性を決める要因は、競合や環境、商品サービスの属性ですが、需要の価格弾力性を評価したうえで価格を上げるか上げないか、引き下げるのかを判断するのが有効です。

一般的には、必需品や独自性の高い商品は需要の価格弾力性が高く、奢侈品や独自性の低い商品は需要の価格弾力性が低いと言われています。

以上からまずは数量ありき、であることが分ります。

数量を伸ばすためには供給が十分にあることを前提として、販売方法や、プロモーションの質を上げる必要があります。

販売の方法の巧拙により、また販促の質により大きく数量が変化します。そのうえで需要の価格弾力性を評価したうえで価格政策を決めます。

需要の価格弾力性が高ければ、利益の絶対額が増える領域まで価格を引き下げても、数量が増え売上を上げることができます。

利益率を下げ、利益絶対額を引き上げる戦略です。

逆に供給量を決め、「必ず売り切れる商品」というコンセプトで、一定の売上高を確保する、在庫を残さない、という戦略をとる商品もあります。

価格を高めに設定しても数量は落ちない、すなわち希少品として需要の価格弾力性を低く設定する政策がとられていると考えられます。

なお、常に価格を引下げて販売することにより商品サービスのブランドを棄損し、販売政策を硬直的なものとする可能性もあります。

一般に行われている〇〇SALEは、普段高いものが安く買える、という誘因が需要の価格弾力性を高めていることを理解しなければなりません。

ということで、何をいくらで売るのかが決まり、数量がそして売上が決まります。

「どのような販売政策をとるのかを決めて売上を上げる」ことができているのかを振り返る必要があります。

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