[プチ事例研究]連携がうまくできないことのロス【会員限定】

安全管理や生産管理等のための5S

随分前に、エンジンをつくる会社の下請けの部品工場が群馬県にいくつもあり、期中や期末に工場をよく訪問したものです。

工場はモノづくりの場であり、工場では安全管理をベースとして5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を始め、工程管理、原価管理など厳しい管理が行われています。

工場では設備や機械を動かし、重量物を扱うクレーンを使うため、事故が発生しないよう安全管理を徹底します。

5Sはそのための最も重要な項目を用意しています。もちろん生産性向上(資源一定にして高い成果をあげる)も工場の大きなテーマでもあり、そのためにも5Sが機能することは間違いありません。

工具を捜す、床が油で汚れている、原材料がバラバラに管理されている、受払い管理ができていない、袋破している、仕掛品が点在する、半製品がどこにあるか分からない等、挙げればきりのない問題を解決するために5Sを使い、意識改革や具体的な教育、仕組みをもち生産を行うことが必要です。

安全管理も生産性向上も、他の管理もすべて5Sから始まります。

5Sは工場だけのものではない

さて、今回は関東地方にあるある受注品の機械設備をつくる工場です。

工場では製品をつくり、現場に機械を設置し、稼働確認を行ったうえで検収・納品という手順を踏んで企業が売上をあげます。検収基準といいます。

この工場で、なかなか納入した機械の稼働が始まらず、売上が計上できない事態が頻発していました。

その原因はおおよそ、

  • 設置してみたら突起物があり機械が入らない、
  • 広さが不足し設置できにない、
  • 場所に合っていない
  • 動力が不足して稼働が安定しない、

といったものでした。

そもそもその設備は個別受注生産で製造するため、詳細な現地確認や営業と設計、設計と現場の密接な連携が必要です。

そうした連携がないと、納入先の現状が分らず、ちぐはぐした製品をつくり、後に大きな手直しをしなければならなくなります。

今回は営業がしっかり現地調査を行わず、納入先の情報を鵜呑みにしていたことや、設計とのやりとりがうまくいかなかったことが原因でした。

組織の各部門にはセクショナリズムや自己利益優先という思いがあり、組織の連携がとりづらい傾向がありますが、仕事を円滑に進め、成果を挙げるために必要な情報を得て自分の仕事に活かすという姿勢がなければ先に進みません。

この企業は、売上の計上が遅延しただけではなく、納入前に設計変更や作り直しが数多く発生し、大きな損害を被ったのはいうまでもありません。

何よりも顧客からの信頼を失ったことは、取り返しのつかない事故であったということができます。5Sは工場のみならず、組織全体に徹底されなければならないことだと改めて気づかされた事例でした。

[マネジメント・アイテム]

社員教育、業務改善、部門間コンフリクト(衝突)、リーダーシップ、コミュニケーション、責任と権限

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