[プチ事例研究]回転寿司に学ぶ飲食のあり方【会員限定】
回転寿司チェーンのオペレーションを知る
業界2位の回転寿司チェーンの店に行きました。
予約だと少し時間が空くので、直接訪問です。受付機があり、予約と来店の2つのボタン。人数とテーブルかカウンターを選択し、ボタンを押すと受付番号票が出て待つだけ。
携帯への連絡機能のあるチェーンもありますが、どこも似たようなものですが人の手を介在しないので効率的。
席が空くと呼出し、いなければ次に進み、後から「呼ばれているんですけど」と泣きつく客の手配をするのが、カウンタースタッフの仕事です。
席につくと、「回転」寿司は名ばかりで、オーダーし手元に「直送」。直送寿司と言った方が適切な業態です。カウンターを選択しましたが、カウンターは1席毎に注文タブレットがあり、オーダーや配膳がとても速いです。時期ごとの雄目商品も目先を変えて売上貢献します。
発注→配膳が早ければあっという間に食事が終わるので客の入替えが高くなります。オーダーしてからの配膳時間短縮により客単と座席の回転率を上げているんですね。
なお、お寿司の回転部分をみると回転している寿司はまばらで、オーダー数の少ないレア系ものをベースにメニューから外し、売れ残りないよう少量を手の空いている時に握っている感じでした。
ホールのオペレーションも(TVで見たけど厨房も)どんどん効率化し、お手拭きは自分で取り、ワサビも袋から瓶に変更されコストダウン。もちろんお茶は自分で。店内オペレーションほとんどなし。
クレームや食べ終わった皿を投入口により5枚でゲームをする人が多いと洗浄機がつまるらしく、「すみませーん、お皿置いておいてください」と声かけすることくらいです。
これは改善余地ありで、儲かっている証拠だと思います。ところでこのゲームは、5皿投入すると1回遊べるので、後一皿何か食べようという誘因につながり、ゲームの結果が出るまでの20秒程度は箸が止まる可能性もありますが、めちゃ売上貢献します。
ということで、箸で掴むと崩れる握りの弱さが気になりましたが、ネタは貧弱ではなく食べ応えありました。
購買や商品開発部の努力が目に浮かびます。なお、「ごはん大きいとたくさん食べられない」というアンケートをとり、タブレットで価格同じのシャリ少なめハーフ(シャリ小)選択導入は、お米の原価カットとオーダー増による利益の源泉で、すばらしい。
糖質カットしたい寿司好きな人はたくさんお金を落とすことになります。シャリを残す人もいたので資源のロスをなくす、という意味では社会貢献かもですね。
大量仕入れと商流カットによる食材原価の引き下げ、現場の生産性向上や廃棄ロス低減によるコスト削減の好事例。
他の飲食のタイプや業態は異なるものの、ここから学ぶことは多数あります。トップを走るいくつかの回転寿司チェーンは飲食業の鑑であることが分ります。
飲食業の基本
飲食業は、コンセプト、戦略、事業計画、メニューを決め、厨房の機能を決めます。
食材を仕入れ、若しくは加工した食材を仕入れ、場合によればセントラルキッチンで加工し、保存し、来店してもらい、注文を受けて、厨房にて調理し、ホールにて提供し、会計を行う業務フローで運営されます。
仕入、加工、保存、来店、注文、調理、配膳、接客、会計、データ管理における、それぞれの段階において適切な行動をとることが必要です。
- コンセプト
どのような料理を、いくらで、どこで、どのように提供するのかを決める。
- 戦略
コンセプトから事業として、どのように提供するのかを具体化する。調理人の確保やマーケティングを怠らない。店舗設計(店構え、面積・席数・レイアウト、ホール設備、工事費)もこの段階で実施。
- 事業計画
設備・人員計画、資金計画、利益計画を立案する。
- 行動計画
どのように事業を成功させるのか、5W2Hで行動計画(アクションプラン)を立案する。
- メニュー
グランドメニューを決める
- 仕入
食材をどのように調達するのかを決め、行動する。
- 加工
加工済みの食材の調達を行うのか、仕入れてから調達するのか、双方七日に着いて検討し実施する。
- 保存
品質管理、仕入のタイミング、在庫管理、食材の受払い管理について仕組みづくりを行う。
- 来店
客に来店を促す方法や手段(プロモーション)を計画しているものを実行し、来店を促す。
なお、来店時の配席についても一定のルールを設け実行する。接客対応のための評価、教育仕組みをつくり実施
- 注文
オーダーの受け方、システム、についてホールから厨房へのコミュニケーションについての明確化が必要。
- 調理
味、温度、時間、器具、機器、食器、盛り付け、色味、コスト、廃棄等についてレシピ、食材使用量、仕上がりについての標準化を行う。
- 配膳
オーダーから調理、配膳を円滑に行うためのシステム、標準化、マニュアル、教育についてお仕組みづくり、時間管理を行う。
- 接客
オーダー、配膳、クレーム対応、調味料や付随品の管理、食事提供中の担当者のホールでの行動・対応について標準化
- 会計
会計を自動化の有無、領収書の発行、その他への標準化、レジ周り商品管理等への取組みを行う。
- データ管理
曜日・時間帯・男女・年齢別客数、客単、新規、グループ区分、リピート率、配膳時間、回転率、配膳時間、ABC分析、人時生産性等の管理を行う。
簡単に書きましたが、個々の内容には奥深いものがあります。
回転寿司チェーンをイメージするだけでは、飲食のすべてを網羅できません。
しかし、少なくとも、効率や生産性の究極の姿を求めつつ、質をどのように上げていくのか、というテーマに取り組んでいる業態として、マクドナルド等のファストフードと併せ、他の飲食業態は大いに参考になると考えています。
場合によれば他の業種もベンチマークする必要があるかもしれませんね。
[マネジメント・アイテム]
業務改善、生産性向上、業務標準化、教育、リーダーシップ、本部商品開発、プロモーション、店舗オペレーション
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- 飲食業
