[プチ事例研究]やる気のない従業員・仕組みづくり【会員限定】

やる気のない従業員

北国にある県庁所在地の食品スーパーチェーンの取組みです。

売上が低迷する店舗に着任した店長は、あまりにも従業員にやる気なく、日々様々な問題が発生していることにすぐ気づきました。各売り場の責任者は商品や接客に関するクレーム対応に一日の多くの時間をかけていました。

クレームは、もちろんバイヤーやディストリビューターが悪いのでも、SVに問題があるわけではありません。店舗オペレーションがうまくできていないのです。

そこで店長は立ち上がりました。やる気をどのように醸成するのか、方法が確立していないなかで、どのようにリーダーシップをとり、彼女たちをまとめていくのかを必死に考えました。

オペレーションの見直し

まず、現状のマネジメントの仕組みのどこに問題があるのかを調査することから始めました。そこで分かったのは、店舗オペレーションの日々の業務の担当が決まっていないことや、仕事の仕方が標準化されていないこと、何よりも作業の時間帯が曖昧であることが和分かりました。      

店長は、当時バーコードシステムによる管理が一部しかできていない時代に、検品・検収、品だし、陳列、棚チェック、補充、値札作成、説明ポップ作成、レジ対応、清掃、クレーム対応、在庫管理等について、誰が見ても確認できるように、一人ひとりの責任担当を決め、「○○さん、○○担当」という紙(短冊)を事務所内に張り出しました。

「○○さん、お願します。この業務の目的はこう、やり方はこうで、時間はこんな感じです」と面談で詳細に説明するとともに、「○○さんならできます。何かあれば支援しますからね」と付け加えました。

また、時間帯別の作業を決め、一人ずつの一日のスケジュールを決めこれも壁に張り出し、何ができて何ができなのかを検証しながら業務の見直しをしていきました。

そのころ社長が大手メーカーT社でマニュアルを運用していた人を採用し、業務を標準化するためにマニュアルを導入しました。社長が「マニュアルは凄いよ」、といわれたことを20年以上経った今でも鮮明に覚えています。

当店でもマニュアル作成、OJTを行い、一人ひとりの作業技術を高め、成果をさらに挙げることができました。クレームも自然に解消してきたのはいうまでもありません。

新しく着任した店長がリーダーシップをとり現場を管理。50店舗のうち最下位に近いところから8位まで業績を挙げることに成功したのでした。

組織運営にはマネジメントがいかに必要なのか分かる良い手本になった事例ですね。

[マネジメント・アイテム]

リーダーシップ、役割明確化、目標管理、コミットメント(約束)のためのOne on one 面談、レイバースケージュールプランニング(LSP)導入、マニュアル作成、職場内教育

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