[プチ事例研究]お弁当が売れない・顧客ニーズへの対応【会員限定】

売上が上がらない

今から10年前、地方百貨店の出来事です。

地方と言っても人口が数万の小都市です。

そうはいってもJR駅近の当百貨店は地域になくてはならない存在。平日で駅前通りには人通りがなくても、店内には人が溢れています。

大型商業施設ほどではないものの3000坪の同店の3階と屋上の駐車場がかなり埋まるくらいに込み合っています。

この店の惣菜売り場でお弁当の売れ行きが今一つあがらないで、困っていました。

お弁当数はそこそこなのに、売れずに残り夕方に残ったお弁当を安売りする羽目になっていたのです。ありがちではありますが、安売りを目指して来店する客もいます。

当時は、なぜ売れないのかの原因分析ができていませんでした。そこでプロジェクトができ、

  • お弁当の種類と作成数、
  • 時間帯、
  • 買い物客の属性、
  • 近隣の競合分析

を行うことになりました。

競合は点在するコンビニエンスストアー以外ほとんどなく、結局は

  • お弁当を作り始める時間、
  • 目玉(集客)商品を売り場に出す時間帯、
  • 時間帯別の品出し量

に問題があることが分りました。

顧客ニーズに応える

まずは、目標売上や利益を見直しました。

来店客にアンケートをとり今までににない商品開発を行い、一日のお弁当数は変わらないものの昼時前、夕食時間前に作成量や昼食と夕食の献立をイメージした商品構成にするなどの変更を行いました。

また、飽きが来ないよう毎週の眼玉商品を投入し、メニューを変えました。そのうえで、昼前、夕食前の時間帯の品揃えにボリュームをつける売り方に変えたのです。

もちろん、お弁当一つひとつのおおよその原価計算を行うことによりコストを把握。材料の使い方に留意しコストを削減しました。また、マークアップで売価を決定するのではなく、どこで利益をとるのかを決めました。

そのことで徐々に「これは安くて美味しい」と評判になりました(今でも豪華なお弁当の中心価格は500円です)。

結果、売上は倍増し利益も飛躍的に増加しました。

当たり前ですが顧客ニーズにどのように応えるのかが、いかに大切であるのか再認識できたのです。

[マネジメント・アイテム]

リーダーシップ、目標売上、利益の明確化、マーケティング、原価計算、コスト削減、マーチャンダイジング(販売政策)、シフト変更による人員配置見直し

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です