[プチ事例研究]製造業は5Sから始まる【会員限定】

5SとTPM

会計監査で担当していた製造業は、化学品メーカー、重電、ペイント、製鉄所、製紙、製糸会社、自動車部品メーカー、樹脂加工、機械メーカ-です。

監査法人で初めて関与したのは機械メーカー(工作機=旋盤)。夏は爽やかな空気に包まれるが、冬になると3メーター以上の雪に覆われる地方の駅まで3時間ほどかけて訪問していました。

タクシーに乗り工場に着くと、経理の用意してくれた会議室に入ります。山のように積まれた伝票や証憑の監査が終ると、吸い込まれるように工場の製造現場に入り旋盤がつくられる工程を回り、仕掛品の状況や製品の在庫を視察するのが恒例でした。

会計の問題は現場にあると教えられていたからです。

私は油の匂いがする工場のひやりとした空気がなぜか好きで、工場に足を踏み入れると、何かわくわくした気持ちになったものです。

当時、TPM(TPM=Total Productive Maintenance 全員参加の生産保全・全員参加の生産経営)が盛んで企業の生産性をどのように向上させるのかマネジメントが行われていました。

生産システム効率化の個別改善、オペレーターの自主保全体制づくり、保全部門の計画保全体制づくり、製品・設備開発管理体制づくり、品質保全体制づくり、教育・訓練の体制づくりの8つの柱での運用です。

ご承知のように工場には5Sがあり、整理、整頓、清掃、清潔、躾が行われていますが、これらは職場環境の美化、従業員のモラル向上への影響はあるものの、具体的な行動や結果を生むには他の指標が必要との思いがありました。

もちろん5Sが徹底されるプロセスにおいて業務改善や生産性向上への効果も認められる。しかし5Sだけでは改革は難しい現状にありました。そこでTPMです。

5Sで分かりやすく哲学を提示し、そしてTPMがあることで具体的な活動につながると当時考えていたのでしだ。

さて、工場では、財務諸表の信頼性を確保するため、製品別原価計算や仕掛品の計算に明け暮れっていました。販売部隊や管理部署は関東の本社にあり、工場では特化した会計監査を行うことができていました。

日本の物づくりに期待

材料を仕入、外注先への供給、部品や半製品の購入、外注や内製による組立てを経て塗装して検査を行い出荷するという一連の工程での経験により、他のどのような製造業であっても工程をある程度理解できる基礎知識を得ることができました。

外注先にも訪問しメッキ工程や加工の状況についての理解も深めたことも良い経験です。

その後化学品メーカーや他の業態の工場にも入り異なる管理手法を学びましたが、この工作機械メーカーは製造業を学ぶスタートの企業になりまし。

さて、日本の特技であった物づくり。いまでは技術を継承する者がいない、ということがあり日本の肌理の細かい製造の障害になっています。

課題解決のため、外国人労働者や実習生の受入れを行ったり、IOTやAI化が進み、よりよい製品ができる体制整備が行われることを大いに期待しています。

[マネジメント・アイテム]

5S、TPM、IOT、AI、原価計算

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