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街づくりは未来への営み

朝はやく決められた場所で運動靴を安全靴に履き替えてワゴン車に乗り、工事現場に向かう。工事中のマンションに入り、工程の進捗状況により砥の粉を塗る作業をしたり、養生したり養生をはがしたりすることは達成感がある。18時になり作業が終了すると車を降りた場所に迎えが来て、あー今日も一日が終わったなあという満足感に浸りながら、派遣元の会社に帰る日々だった。

学生の頃、日雇いで雑工として工事現場に通いいくつもの作業をしていた経験が、社会人になって役に立つとは思いもしなかった。10年以上後に大手ゼネコンの会計監査を担当することになったのである。

監査法人で配属された部門のあるチームで全国の建設現場に向かい、建設現場の事務棟で現場責任者から工程を聞き、本社で入手した工事概況書や設計図面等から工事発注書、請書、工事履歴のエビデンスと突合し、支払い状況を確認し未成工事支出金計上の妥当性等、監査を行った。

工事進行基準による管理も含め現場での状況確認が通常だったが、完工時には鍵引渡し準備の確認等を行うこともあった。建設現場は多くの業者が協力して作業を進め、徐々にマンションやビルが完成していくプロセスを見るのは心躍る気持だったことを覚えている。

当時は併せて道路をつくる企業へも赴き、現場でアスファルトの熱を感じながら実態調査を行ったこともある。街づくりの基幹を担う建築物や道路ができあがっていく様子は未来に進む人間の営みそのものであり、感動的だった。

建設業での経験は宝物

後に仕事で上海や香港、北京に行くようになり、建築物の規模が日本と異なることを目の当りにして、建設業の凄さをまざまざと感じた。当時、建設業の仕組みや工事が進むプロセスを理解できていたことは、たとえばサブコン、戸建住宅業や建設廃材処理業等、電気工事や内装業等他の事業に関与するようになってとても役に立った。

なお、先輩がデズニーランドの開発、青函トンネルやダム建設現場で危ない目にあったという話を聞いた。監査は現場に入るので危険なことも多い。ただ、このとき自分は大型の土木工事には携わっていなかったことに気付きとても悔しかったことを記憶がある。今では良い思い出でである。

これからも建設業のクライアントとともに未来を目指していこうと考えている。

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